最近、黒石のあちこちで「クマを見た」という話を耳にするようになりました。
うちの店の近くでも、「あそこの道端でクマがいたらしい」「夜、畑のほうで見かけた」という声がちらほら。
山に囲まれた地域だから、昔からゼロではなかったけれど、ここ数年は確実に身近になってきたなぁという実感があります。
そんな中で、うちの店でもちょっとした見直しをしました。
それが――自動ドアを人感センサー開閉から手押し開閉に戻したこと。
コロナのときに「人感センサー」に変えていた
もともとうちの自動ドアは「押しボタンで開けるタイプ」でした。
けれど、コロナ禍の頃って、どこもできるだけ非接触が好まれましたよね。
お客さんがドアに触れなくてもいいように、業者さんに頼んで人感センサー式にしてもらったんです。
便利だし、衛生的にも安心。
何より、お年寄りの方や荷物を持った方がスッと入れるのが良かった。
「やっぱり自動ドアっていいよね~」なんて思っていました。
でも、最近のクマのニュースを見て、ふと気づいたんですよ。
「これ……もしかして、クマが通ったら開いちゃうんじゃないか?」

犬や猫でも開く。なら、クマも開けてしまう
人感センサーって、意外と敏感なんです。
近所のワンコが散歩で前を通るだけでも、スーッとドアが開く。
野良猫が横切っても反応することもあります。
そのたびに「うわ、また開いた」と笑っていましたが……
もし、それがクマだったら?と思うと、急に笑えなくなりました。
夜、人通りが少ない時間帯。
もしドアの前をクマが通ったら、センサーが反応して自動ドアが開く。
そのままクマが興味を持って入ってきたら――もう想像するだけで背筋がぞっとします。
ましてや、食品を扱っている場合、匂いに引き寄せられる可能性もゼロじゃありません。
「これはいかん」と思い、すぐに業者さんに連絡しました。
「手押し式に戻してください」――即決でした
相談すると、「センサーをオフにして、手押し式に戻すことは簡単ですよ」とのこと。
保守に入っていたので費用もゼロ。
迷わずお願いしました。
作業当日、スタッフも立ち会って、開閉の感触を一緒に確認。
「これぐらいの重さならお年寄りでも大丈夫そうだね」とか、
「貼り紙も必要だね、押して開けてくださいって」。

そんな風に話しながら、無事に切り替え完了です。
ドアの横には案内を貼り、お客様にもすぐ分かるようにしました。
不便? いいえ、むしろ安心を買えた気がします
正直に言うと、最初は少しだけ不便です。
お客さんが荷物を持っているときや、両手がふさがっているときは「ちょっと押してもらえますか?」と声をかけることもあります。
でも、不思議なもので、慣れてしまえばそれほど気にならないんですよね。
それに、みんな意外と理解してくれます。
「クマ対策なんですよ」と話すと、「あぁ、そういうことか~!」と笑ってくれたり、
「確かに、最近多いもんねぇ」と共感してくれたり。
なかには「うちも自動ドアやめようかな」なんて言ってくれる方もいました。
便利さも大事だけど、安全には代えられません。
ドアが勝手に開かないというだけで、心のどこかが落ち着く。
食品を扱う店ほど、匂いに注意を
自動ドアの話に限らず、食品を扱う店では、匂いの管理も大切です。
ゴミ箱の中身や生ごみ、果物の甘い匂いなんかは、動物にとってはごちそうのサイン。
特に夜間は静かになるぶん、匂いが届きやすいんだとか。
うちでは、閉店後は生ごみを屋外に出さないようにしています。
以前は裏口近くに一時置きしていたんですが、いまはすぐ店内の保冷ボックスへ。
それだけでも、かなり安心感が違います。
手押しドアでも「工夫次第」で快適にできる
「手押し式に戻したら不便なんじゃ?」と思うかもしれません。
でも実際は、ちょっとした工夫でずいぶん使いやすくなります。
たとえば、
- ドアノブに滑りにくいグリップをつける
- 開ける方向を矢印でわかりやすくする
- 押しボタン式のまま、センサーだけオフにしておく
など、細かい配慮を積み重ねれば、お客さんも迷わず使ってくれます。
クマは人里にもやってくる。店の入口こそ一番の防御線
ここ黒石も、自然が豊かで本当にいい場所です。
だからこそ、クマや動物と共に生きるという意識も必要になってきたのかもしれません。
店の入口は、お客様を迎える場所であると同時に、「外との境界線」。
そこが無防備だと、クマに限らず思わぬトラブルが起こりかねません。
人感センサーをオフにしたことで、うちの店は少し人間らしいリズムに戻った気もします。
誰かがドアを押して入ってくる――そのちょっとした動作に、店員が「いらっしゃいませ」と声をかける。
そういう当たり前のやりとりが、なんだか懐かしくて温かいです。
最後に:安心は、自分たちで作るもの
便利さも安全も、どちらも大切。
でも、いまこの黒石で暮らす私たちにとって、まず守るべきは安心だと思います。
自動ドアのセンサーを切り替えるなんて、ちょっとしたこと。
けれど、それだけでも気持ちが落ち着き、スタッフも安心して働けるようになりました。
もし、同じように食品を扱っているお店や、夜間営業の店舗をされている方がいたら、
ぜひ一度、自動ドアの設定を見直してみてください。
クマが現れるかどうかはわからなくても、
「万が一」のときに備えることで、今日もお店を安全に開けられる――
それこそが、地域で商いを続けるいちばんの力になると思います。



コメント